そら豆のおなかはなぜ黒い??


このお話は、子供の頃テレビで見たむかしばなしです。すごく心に残っていて、おとなになった今でも時々思い出してほのぼのしています。        のびたのママより

ある村におばあさんがひとりで暮らしておりました。おばあさんは、きょう畑で収穫したそら豆を今夜のおかずにしようと思いました。おばあさんは木炭とわらを使ってかまどでそら豆をゆがきます。グラグラグラ・・・わらに火をつけて鍋が煮立ってきたときです。
「あちちちちぃぃ・・・」
一粒のそら豆と、一本のわらと、ひとつの木炭がかまどと鍋から飛び出しました。
「そーれ、逃げろ!!」
おばあさんの家から逃げ出した、そら豆とわらと木炭の3人は相談しました。
「これからどうしよう??」
わらが言いました。
「うーん・・・あっ、そうだ!南の国へ行こうよ。きれいなお花畑があると聞いたことがあるよ」
そら豆が提案しました。
「行こう行こう」
木炭が賛成しました。
3人は一路南に向かって歩き出しました。しばらく行くと川がありました。その川には橋がかかっていません。
「僕が橋になるから、僕の上を渡りなよ」
木炭が言いました。
まずわらが渡ることになりました。わらが渡り始めたとき、大きな風が吹きました。バランスを失ったわらは木炭の上で右に行ったり左に行ったり・・・その重さに耐え切れなくなった木炭は、わらを道連れに川に落ちてしまいました。わらと木炭は川の水に流されアップアップしています。その様子を見ていたそら豆は、二人を指さしながら大笑いしました。二人の姿がこっけいで、おかしくておかしくて笑いが止まりません。笑い転げてとうとうお腹の皮が破けてしまいました。お腹の皮が破けてはたまったものではありません。
「いたいよ〜いたいよ〜」
そら豆はお腹をおさえて涙を流して泣きじゃくっていました。そこにひとりのおじいさんが通りかかりました。
「これはこれはかわいそうなそら豆じゃ。わしが助けてやろう」
おじいさんは持ち合わせていた黒い糸を使ってそら豆の破けたお腹を縫い合わせました。
「ありがとう、おじいさん」
それから後、そら豆のお腹には黒い線が入るようになりました。

ひとのことをあまり笑ってはいけないということを説いたほのぼのとした昔話ですね。可愛いそら豆くんとわらくんと木炭くんの姿が思い浮かびます。のびたのママさん、投稿ありがとうございました。         
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